よしなしごと

日常と想像のおはなし

隣席に来た親子

先日 癌の経過観察の為に病院へ訪れ 院内にあるカフェに入り ランチを食べていた時に 私とどこかの婦人の間の席に 知的障害のお子さんを連れた主婦が座りました。
一瞬、騒がれたり暴れたりしないか不安がよぎりましたが その子は ただ横揺れが止まらないだけで 静かに そして笑顔で着席していました。隣の婦人は まだ不安なのか お母さんの方をずっと睨み付けていましたが 子供はカフェが嬉しかったのか たどたどしく「おかあさん、こんなステキなお店に入れるなんて ウチは中流階級の上の方なんだね!」と、言うと 笑いだしました。お母さんは微笑むと二人で食事を始めました。厨房でグラスがぶつかり合いコ~ンと音を立てた時、「お寺みたい」と呟き 目を閉じて耳をすましている子供を見たら いつの間にか 癒される気持ちになっている私がいる事に気が付きました。子供の心って なんてキレイなんだろうって思ったんです。横には 特に迷惑をかけられた訳でも無いのに まだ不満そうに眉間にしわを寄せて お母さんを睨んでいる ご婦人がいました。横揺れが止まらない子供を育てる もし自分だったら ちゃんと出来るだろうか?お母さんの大変さ 将来への不安を考えたら 母として強く生きようとしている女性を尊敬しました。一瞬ではありましたが いつの間にか私は自分の満足の為に 周りを迷惑な目で見る様になっていたんだなぁと 怒っている婦人を見ながら反省しました。そして 客観的に「木を見て森も見れた」自分に 少しだけ成長を感じました。「人の振り見て我が振り直せ」なんて言葉がありますが この日に会った この3人に私は ちょっぴり感謝しました。